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物からモノへ展開催中  上林壮一郎 X 鏡リュウジ
物からモノへ



HOROSCOPE TABLE01
SKIN / HOROSCOPE TABLE design Soichiro KANBAYASHI


SKIN / SMALL ROUND TABLE design Soichiro KANBAYASHI


CHRISTIAN ASTOROLOGY (1659) presented by Ryuji KAGAMI
17世紀の占星術書(William Lilly著。1659年ロンドンで出版)。
442ページ目が開かれている。そのページは、[If attain the Philosopher’s Stone?}、すなわち賢者の石の存在についての質問に回答するという内容になっている。







今日から1/31まで展覧会開催!

物からモノヘ展

@京都大学総合博物館

に出展しています。これは、この4年間進められてきた、科学、芸術、宗教の諸分野の研究者と、クリエーターによる物・者・モノノケのモノを貫流する「もののあはれ感覚」「モノ感覚」をテーマとした科研「モノ学・感覚価値研究会」の研究成果の展覧会です。同時に行われているシンポジウムの関連イベントとして行われています。
会場も、美術館やギャラリーではなく、科学の殿堂である博物館です。

それがいよいよはじまります。
出品物は新作のテーブルとサイドテーブル。SKINシリーズです。
テーブルの天板が変形する不思議な感覚のテーブルです。
別の見方をすれば、軽いものをうけとめるレイヤーのテーブルと重いものを受け止めるレイヤーのテーブルの二層からなるテーブルです。

天板にはエラスティックなテキスタイルを使用しています。
丸いテーブルは、実はホロスコープになっています。

というのも今回はさまざまな出展者がいますが、どの出展者も研究者とコラボレーションするというのが展覧会の主旨です。私は占星術研究家の鏡リュウジさんとのコラボレーションで、錬金術から始まり、表層と深層をテーマにコンセプトを話しあいながらデザインをしていき最終的にこうなったわけです。

鏡さんは、今回貴重な17世紀の占星術書を展示されています。

ぜひ見に来てください。

モノ学・感覚価値研究会
http://homepage2.nifty.com/mono-gaku/
京都大学総合博物館
http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/modules/special/content0011.html


トークセミナー

1/16(土)10:00-11:30
@京都大学総合博物館 メディアラボ

「モノ 星 デザイン」
鎌田東二
鏡リュウジ
上林壮一郎





以下 展覧会で配布された鏡さんのテキストと私のテキストです。

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「天と地の照応」

鏡リュウジ

As Above So Below
 すなわち、「上なるものは下なるものにひとし」。
 エメラルド版と呼ばれる、古えの碑文に残るこの言葉こそ、伝統的な占星術・魔術の世界観を集約的に表現したモットーだと言える。 近代の世界観が、宇宙をひとつの魂なきマシンととらえ、すべてを計量化していったことと対照的に、伝統的なコスモロジーではこの宇宙にはスピリットとソウルが満ち満ちており、それらは階層に分化しながらも、それぞれが「共感」「照応」の原理によって共鳴しあい、上なるものと下なるものが響き合っていたのである。
 マクロコスムたる天界の星は、ミクロコスムたる地上の人間に、スケールこそ違え、照応し、共鳴しあう。だからこそ、占星術家は星の動きをみて、人間の運命を垣間見ることができた。鉱物は命なき物質ではなく、それは星のスピリットを宿し、また星の動きにしたがって恐るべき緩慢な速度ではあるものの成長し変化するものであった。その鉱物の生命の秘密を知る錬金術師は、鉱物の魂を救いだすことで金属の成長を加速させ、黄金を作り出すこともできたのだった。
 すべてが「分化」してゆく近代化の力にあらがうようにして、最後まで生き残った占星術家や錬金術師、そしてアーチストは、断ち切られてゆく宇宙の紐帯をいかにして回復させることができるか、ということを今もなお考え抜こうとしている。そしてそれを作り出そうとしている。物質と霊をともに表現する日本語の「モノ」という言葉は、いまこそたちあがろうとしている紐帯の復活を予感させる。
 十七世紀はまさにそうした近代と伝統的コスモロジーの分水嶺であったといえるが、ここに展示する占星術書には錬金術の奇跡を可能にする「賢者の石」の創造が可能かどうか、という実にスリリングな問いを星に問いかけている。宇宙の階層の紐帯を切り離した我々は、今一度、すべてをつなぎなおす「賢者の石」の再創造が可能かどうか、問いなおさなければならないと強く確信するのである。
 今年、一月十八日宇宙の王の木星は物質と精神を象徴する「二匹の魚」の魚座へと入る。リボンで結ばれた二匹の魚。その絆、紐帯、リボンを、ぼくたちは、この展覧会のなかにきっと探すことができるだろう。



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「SKIN―二つの位相を持つ家具」

上林壮一郎

As Above So Below
 すなわち、「上なるものは下なるものにひとし」。
この言葉を鏡さんに頂いた。これは逆にいえば上なるものと下なるものは違うレイヤーに存在するということである。そのふたつの位相の間には、境界、階層がある。分化しながらも「共感」「照応」の原理によって共鳴し合う。そのようなことをなんとか形で表現できないか。できれば、機能性をもった形として表現できないかというところからこれらの家具は生まれた。それらは柔らかい表層と硬い下層をもつことからSKINと名づけられた。
SKIN=皮膚は内部の物を覆う被膜である。私たちはSKIN(表層)世界を生きているが、その内部には骨を宿している。これらの家具はそのSKINと骨の関係に似た構造を持っている。
ふつうテーブルの天板は、何をのせても載せたものの重さを意識しないで済むようにずいぶん丈夫にできている。しかし、そのパラメーターを動かしてやり、載せたものの重さによって変形する素材にしてあげると、たちまちものの重さが意識されるようになる。しかしやわらかな膜の下には、安定した硬い天板が所々暗礁のように散らばっている。その暗礁の上ならば重いものも支えられる構造になっている。
はじめはそれだけのアイデアだったが、鏡さんといろいろと話しているうちに、下なるものに位置する小さなテーブルを上なるものである星に見立てたらホロスコープになるのではないかというアイデアに育っていった。上なるものである天板には星座のマークや座標が描かれ(まさに天の板!)、下なる惑星のテーブルはその配置が日々その日の惑星の位置を示せば、ホロスコープとしても機能するようなテーブルになる。ちなみにホロスコープのホロというのはHorison(地平線・水平線)という意味だそうで、これも天板が地平線を持つ大地的基準であることとアナロジカルにつながっている。ただ、通常上方にある星が下方にあるという天地が反転した形となっている。 

占星術によれば星にはスピリットがあるという。ならばその上にはスピリッツをのせよう。ただし、飲みすぎて星から落ちてしまわないように。






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